Web制作会社が「作って終わり」から抜け出す方法|EC案件を継続収益に
「ECサイトを制作して納品した。請求も済んだ。そして、それきり連絡が途絶えた」。Web制作会社にとって、これはよくある光景です。
苦労して作ったサイトなのに、納品した瞬間にクライアントとの関係が薄くなる。次の案件はまた一から探さなければならない。この記事では、Web制作会社が陥りがちな「作って終わり」モデルの構造的な限界と、そこから抜け出すための「継続収益(ストック収益)」という考え方を解説します。
「作って終わり」モデルが抱える、3つの構造的な弱点
最初に結論をお伝えします。制作受託だけに依存するビジネスモデルには、努力では埋めにくい構造的な弱点があります。 それは、次の3つです。
ひとつ目は、収益が一度きりであることです。サイトを制作して納品すれば、その案件の売上はそこで完結します。どれだけ良いサイトを作っても、その1件から継続的にお金が入ってくることはありません。来月の売上は、また新しい案件をゼロから獲得して作る必要があります。
ふたつ目は、関係が途切れやすいことです。納品が終われば、クライアントと日常的にやり取りする理由がなくなります。サイトがその後どう使われ、売上にどう貢献したのか。制作会社からは見えなくなります。関係が切れれば、次の発注も、紹介も生まれにくくなります。
みっつ目は、価格競争に巻き込まれやすいことです。「サイトを制作する」というサービスは、発注側から見ると比較しやすく、相見積もりの対象になりがちです。技術力で差をつけようとしても、クライアントには違いが伝わりにくく、結局は価格で選ばれてしまう。これが受託制作の厳しさです。
この3つは、担当者の努力や技術力では解決しにくい、ビジネスモデルそのものの弱点です。
受託制作は「フロー型」のビジネス
なぜこうした弱点が生まれるのか。それは、受託制作が「フロー型」のビジネスだからです。
ビジネスモデルは、大きく「フロー型」と「ストック型」に分けられます。フロー型は、案件ごとに収益が発生し、その都度ゼロから売上を積み直すモデルです。受託制作はこれにあたります。一方ストック型は、契約が続く限り継続的に収益が入り続けるモデルです。サブスクリプションや保守契約がこれにあたります。

フロー型には「毎月、売上がリセットされる」という宿命があります。今月どれだけ稼いでも、来月はまたゼロから。常に新規案件を追い続けなければならず、営業の手が止まれば収益も止まります。制作会社の多くが感じている「いつまでも走り続けないといけない」という感覚は、フロー型ビジネスの構造そのものから来ています。
逆に言えば、収益の一部をストック型に変えられれば、この走り続ける構造から少しずつ抜け出せます。 ゼロから積み直す売上と、積み上がっていく売上。この2つを併せ持つことが、制作会社の経営を安定させます。
「作って終わり」から「作った後も関わり続ける」へ
では、Web制作会社はどうやってストック収益を作ればいいのか。鍵は、「作って終わり」を「作った後も関わり続ける」に変えることです。
ここで重要なのが、EC(ネットショップ)の案件です。ECサイトは、コーポレートサイトやキャンペーンサイトと違い、納品してからが本番です。商品が入れ替わり、セールがあり、在庫が動き、売上が日々生まれる。ECサイトは「運用し続けるもの」であり、運用には継続的な支援の余地が大きい。ここに、制作会社がストック収益を作る糸口があります。
具体的には、ECサイトを「制作して納品する」だけでなく、納品後の運用を支援する月額メニューを用意します。サイトの改善提案、販促の設計支援、データ分析のレポート、こうした運用支援を月次の契約にする。クライアントにとっては「作ってくれた会社が、その後も売上を一緒に伸ばしてくれる」心強い存在になり、制作会社にとっては毎月の安定収益になります。
これは、クライアントを囲い込むという話ではありません。ECサイトの運用には実際に専門的な支援が必要で、多くのショップ運営者はそこに困っています。困りごとに応える対価として、正当な月額フィーをいただく。クライアントの売上が伸び、制作会社の収益も安定する。両者にとって良い関係です。
運用支援を「売上に貢献する支援」にする
ただし、注意点があります。運用支援を月額メニューにするとき、その中身が「サーバー保守」「軽微な修正対応」といった守りの作業だけだと、クライアントは価値を感じにくく、フィーも上げられません。
クライアントが本当に対価を払いたいのは、自社の売上に貢献してくれる支援です。具体的には、どの商品が売れていてどの商品が稼いでいるのかをデータで見える化する、購入されやすい売り場に改善する、販促を効率化する。こうした「攻めの運用支援」ができれば、月額フィーは守りの保守契約よりも高く設定でき、クライアントの満足度も続きます。
ここで制作会社が直面するのが、「攻めの運用支援をしたくても、その手段とノウハウがない」という壁です。デザインや制作はできても、ECの売上をデータで分析し改善する領域は、制作会社にとって専門外であることが多い。この壁をどう越えるかが、ストック収益化の実際の課題になります。
ストックビジョンの認定パートナーという選択肢
その壁を越える方法のひとつが、ストックビジョンの認定パートナーになることです。

ストックビジョンは、私たちパークフィールドが開発した、makeshop公式のEC販促自動化アプリです。商品ごとのCVR(コンバージョン率。サイト訪問者のうち購入に至った割合)や収益を可視化し、カート周辺の接客や販促の自動化を担います。つまり、さきほど述べた「攻めの運用支援」の手段そのものです。
認定パートナーになると、Web制作会社はストックビジョンを自社のクライアントに提案・導入し、その運用を支援する立場になれます。これが制作会社にとって何を意味するか。ECサイトを納品した後、ストックビジョンの導入と運用支援を月額メニューとして提供できるということです。「作って終わり」だった案件が、継続的な関わりに変わります。
しかも、ストックビジョンは商品別のデータを可視化するアプリなので、運用支援が「なんとなくの改善提案」ではなく「データを根拠にした提案」になります。クライアントに対して「この商品のCVRがこう変化したので、次はこう改善しましょう」と、数字で語れる。これは制作会社の提案力そのものを底上げします。
認定パートナーの仕組みやリニューアル提案への活かし方は、別記事でも順次解説していきます。
よくある質問
-
Web制作会社が「作って終わり」から抜け出すには何が必要ですか?
-
収益の一部を「ストック型(継続収益)」に変えることが必要です。受託制作は案件ごとに売上がリセットされるフロー型のため、毎月ゼロから積み直す構造になっています。納品後の運用を月額メニューとして提供し、継続的に収益が入る仕組みを併せ持つことで、この構造から抜け出せます。
-
なぜEC案件がストック収益化に向いているのですか?
-
ECサイトは納品してからが本番だからです。コーポレートサイトと違い、商品の入れ替え、セール、在庫変動、日々の売上があり、運用し続けるものです。運用には継続的な専門支援の余地が大きく、それを月額の運用支援メニューにすることで、制作会社は安定収益を得られます。
-
運用支援メニューはどのような内容にすればよいですか?
-
クライアントの売上に貢献する「攻めの支援」を中心にすることをおすすめします。サーバー保守や軽微な修正といった守りの作業だけだとフィーを上げにくく、価値も伝わりにくいためです。商品データの可視化、売り場の改善提案、販促の効率化といった、売上に直結する支援を組み込むと、月額フィーも満足度も高められます。
まとめ
Web制作会社の「作って終わり」モデルには、収益が一度きり・関係が途切れる・価格競争に巻き込まれるという、3つの構造的な弱点があります。これは受託制作が「フロー型」ビジネスである以上、努力だけでは埋めきれません。
この構造から抜け出す鍵は、収益の一部を「ストック型」に変えること。とりわけ、納品してからが本番であるEC案件は、運用支援を月額メニューにすることでストック収益を生み出せます。その運用支援を「売上に貢献する攻めの支援」にできれば、フィーも満足度も高まります。
そして、その攻めの運用支援を実現する手段のひとつが、ストックビジョンの認定パートナーになることです。「作って終わり」から「作った後も売上を一緒に伸ばすパートナー」へ。この転換が、Web制作会社の経営を安定させ、クライアントとの関係を永続的なものに変えていきます。
ストックビジョンの認定パートナー制度について詳しく知りたい方は、無料の「認定パートナー講座」をご用意しています。下記からお気軽にご参加ください。
「作って終わり」から
継続して支える関係へ

ストックビジョンの認定パートナー制度は、Web制作会社・EC支援会社が、リニューアル後もデータにもとづく運用提案で継続的に関わるための仕組みです。受託制作だけに頼らない収益の柱を持てます。制度の詳細は、認定パートナー説明会でご案内しています。
関連記事
EC制作のリニューアル提案を差別化する方法、制作会社のためのEC保守・運用メニューの作り方、ストックビジョン認定パートナー制度の詳細については、それぞれの記事で解説しています。
