EC制作のリニューアル提案が通らない理由と差別化の武器
「そろそろサイトをリニューアルしませんか」。EC制作会社が既存クライアントや見込み客に提案するとき、よく使うこの一言が、なかなか受注につながらない。見積もりを出すと「今はその予算はない」と保留される。Web制作会社の営業現場で、これはよくある光景です。
この記事では、ECサイトのリニューアル提案が通らない構造的な理由を整理し、提案を「通る提案」に変えるための差別化の武器について解説します。
リニューアル提案が通らない最大の理由は「投資の根拠」が示せないこと
最初に結論をお伝えします。リニューアル提案が通らない最大の理由は、クライアントにとって「それが投資に値する」と判断する根拠が示せていないことです。
「デザインが古くなったので新しくしましょう」「スマートフォン対応をしっかりしましょう」。こうした提案は、制作する側から見れば正当な改善提案です。しかしクライアント、とりわけEC事業者の視点に立つと、受け取り方が違います。EC事業者が知りたいのは「そのリニューアルで、自社の売上はどう変わるのか」です。

デザインの刷新やスマートフォン対応は、たしかに必要なことです。しかしそれだけでは「やったほうがいい改善」にとどまり、「今すぐ予算を割くべき投資」にはなりません。クライアントの頭の中で、提案が「コスト」に分類されてしまうのです。コストだと判断されれば、「今期は見送り」と後回しにされます。
提案を通すために必要なのは、リニューアルを「コスト」ではなく「投資」としてクライアントに認識してもらうこと。そのためには、「このリニューアルは売上にこう貢献する」という根拠を語れなければなりません。
なぜ「売上への貢献」が語りにくいのか
とはいえ、多くのEC制作会社にとって「リニューアルが売上にどう貢献するか」を語るのは簡単ではありません。理由は2つあります。
ひとつは、制作会社の得意領域がデザインと制作だからです。サイトを美しく、使いやすく作る技術は持っていても、「その結果、商品がどれだけ売れるようになるか」を予測し、根拠を持って語ることは、制作の専門性とは別のスキルです。
もうひとつは、納品後のデータが見えていないからです。これまで制作したサイトが、納品後に実際どれだけ売れているのか、どの商品が動いているのか、どこで購入を諦められているのか。こうしたデータが手元になければ、「次のリニューアルでここを直せば、この数字が改善する」という具体的な話ができません。
つまり、売上への貢献を語れないのは、制作会社の努力不足ではなく、「売上を語るための材料(データ)と視点を持っていない」という構造的な問題なのです。逆に言えば、この材料と視点を手に入れれば、提案は大きく変わります。
差別化の武器は「データに基づく改善提案」
では、リニューアル提案を「通る提案」に変える差別化の武器とは何か。それは、データに基づいて「どこを、なぜ直すべきか」を語れることです。

たとえば、こういう提案の違いを考えてみてください。
「デザインが古いので、全体をリニューアルしましょう。費用は◯◯円です」——これは、クライアントには根拠の見えないコストに映ります。
「御社のサイトを分析したところ、商品ページから購入に進む直前のカートボタン周辺で、購入意欲のあるお客様が離脱しています。この部分に納期や在庫の情報を追加すれば、購入率の改善が見込めます。まずこの部分から改善しましょう」——これは、根拠のある投資の提案に聞こえます。
後者が語れるようになるには、クライアントのECサイトを「データで診断できる」状態が必要です。どの商品が見られ、どの商品が売れ、どこで離脱が起きているのか。これが見えれば、リニューアルは「全体をなんとなく新しくする」ものではなく、「データで特定した問題を、根拠を持って直す」ものに変わります。提案の説得力がまるで変わり、クライアントは「投資」として判断できるようになります。
そして重要なのは、この「データに基づく改善提案」は、一度きりのリニューアル受注で終わらないことです。データを見ながら改善を続ける関係は、継続的な運用支援につながります。これは、前回の記事で解説した「EC案件を継続収益(ストック収益)に変える」という話とも一本につながります。
データで提案するための手段をどう持つか
「データに基づく改善提案が武器になるのは分かった。では、そのデータをどう手に入れるのか」。ここが実務的な課題になります。
クライアントのECサイトを商品単位で分析し、購入直前の離脱を可視化する。これを制作会社が自前で仕組みとして持つのは簡単ではありません。一般的なアクセス解析ツールは、ページ単位の分析は得意でも、商品ごとのCVR(コンバージョン率。サイト訪問者のうち購入に至った割合)や、カート周辺での離脱までは捉えにくいためです。
ここで選択肢になるのが、ストックビジョンのようなEC販促自動化アプリの活用です。ストックビジョンは、商品ごとのCVRや収益を可視化し、カート周辺の接客や販促を担う、makeshop公式のアプリです。制作会社がこうしたアプリを提案・導入の手段として持てば、クライアントのサイトを「データで診断」でき、その診断結果をもとに根拠ある改善提案ができるようになります。
ストックビジョンの認定パートナーになると、Web制作会社はこのアプリを自社の提案ツールとして使えるようになります。「データで現状を見せ、根拠を持って改善を提案し、その後の運用も支援する」——この一連の流れが、リニューアル提案を通す差別化の武器になります。
よくある質問
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ECサイトのリニューアル提案が通らないのはなぜですか?
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最大の理由は、クライアントに「投資に値する」と判断させる根拠を示せていないことです。「デザインを新しくする」「スマートフォン対応をする」という提案は、それだけでは売上への貢献が見えず、クライアントには「コスト」と受け取られます。コストと判断されると、予算が理由で後回しにされます。
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リニューアル提案を通すには何が必要ですか?
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データに基づいて「どこを、なぜ直すべきか」を語れることが必要です。商品単位のデータでクライアントのサイトを診断し、購入直前の離脱や売れ筋の状況を可視化したうえで、根拠を持って改善を提案できれば、リニューアルは「投資」として認識されやすくなります。
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制作会社が「売上への貢献」を語りにくいのはなぜですか?
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2つの理由があります。ひとつは、制作会社の得意領域がデザインと制作であり、売上を予測して語ることは別のスキルだからです。もうひとつは、納品後のサイトがどれだけ売れているかというデータが手元にないため、具体的な改善の話ができないからです。データを見られる状態を持つことで、この問題は解消できます。
まとめ
EC制作のリニューアル提案が通らない最大の理由は、クライアントに「投資に値する」と判断させる根拠を示せていないことです。「デザインを新しくする」という提案は、根拠がなければ「コスト」と受け取られ、後回しにされます。
提案を「通る提案」に変える差別化の武器は、データに基づいて「どこを、なぜ直すべきか」を語れることです。商品単位のデータでクライアントのサイトを診断し、根拠を持って改善を提案できれば、リニューアルは「コスト」ではなく「投資」としてクライアントに認識されます。
そして、データに基づく改善提案は一度きりの受注で終わらず、継続的な運用支援へとつながります。提案力を高めることは、そのまま制作会社の収益構造を安定させることにもつながるのです。
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