「いつ届きますか?」の問い合わせを減らすEC納期表示の作り方

「お買い物ガイドに発送日を書いているのに、なぜか『いつ届きますか?』という問い合わせが絶えない」。ネットショップを運営していると、こうした疑問にぶつかることがあります。

問い合わせ対応は、1件1件は短くても、積み重なれば本来の業務を圧迫します。そして問い合わせをしてくるお客様の裏側には、問い合わせすらせずに離脱したお客様が何倍もいます。この記事では、納期問い合わせがなぜ起きるのか、その真因を解き明かし、問い合わせを減らす納期表示の設計方法を解説します。

「発送日を書いているのに問い合わせが来る」のはなぜか

多くのショップは、サイトのフッターやお買い物ガイドに発送ルールを明記しています。「平日13時までのご注文は即日発送」。こう書いてあるのに、それでも「いつ届きますか?」と聞かれる。私たちパークフィールドが運営する自社EC「フラワーレメディ」でも、まさにこの状況に長く悩まされました。

なぜ書いてあるのに伝わらないのか。原因を突き詰めると、ひとつの事実に行き着きました。「即日発送」が当てはまるのは在庫品だけだったのです。

真因は「お取り寄せ品」の存在だった

ネットショップの商品は、ざっくり2種類に分かれます。手元に在庫がある「在庫品」と、注文を受けてから仕入先に発注する「お取り寄せ品」です。

フラワーレメディの場合、在庫品よりもはるかに多くのお取り寄せ品を扱っていました。お取り寄せ品は、注文が入るとその時点で欠品状態になり、仕入先へ発注します。仕入先から商品が入荷してはじめて、お客様へ発送できる。つまり「発注→入荷→発送」という工程が挟まり、その日数は仕入先によっても商品によってもまちまちでした。

ここに問題の本質がありました。「平日13時までは即日発送」というルールは在庫品のもの。お取り寄せ品については、いつ発送できるのかがお客様に示せていなかったのです。お客様からすれば、欲しい商品がいつ届くか分からない。だから問い合わせをするしかなかった。書いてあるのに問い合わせが来る理由は、これでした。

ECサイトで納期問い合わせが多いショップは、一度この観点で自社の商品構成を見直してみてください。在庫品のルールだけを掲示し、お取り寄せ品の納期が「不明」のまま放置されていないか。問い合わせの多くは、この空白から生まれています。

納期が見えないと、購入そのものが後回しになる

問い合わせが来るのは、まだ良いほうです。本当に怖いのは、問い合わせもせずに離脱するお客様です。

人は、不確実なものの購入をためらいます。「いつ届くか分からない」という状態は、それだけで購入のブレーキになります。「とりあえずあとで考えよう」とページを閉じたお客様は、多くの場合そのまま戻ってきません。納期の不透明さは、問い合わせ対応の負担という見えるコストだけでなく、離脱という見えないコストも生んでいます。

裏を返せば、納期が明確に示されているだけで、お客様は安心して購入を決められます。納期表示は単なる親切な情報提供ではなく、購入を後押しする販促情報なのです。

解決策|欠品時の発送予定日を、商品ごとに集計して表示する

フラワーレメディがとった解決策は、シンプルな発想でした。お取り寄せ品についても、欠品した場合にいつまでに発送できるかを商品ごとに集計し、その配達予定日をカートボタン周辺に表示する。やったことは、これだけです。

仕入先ごとの納期をもとに、「この商品は欠品しても、おおよそ何日後には発送できる」という予定日を商品単位で算出する。そして、その情報をお客様が必ず目にするカートボタン周辺に表示する。在庫品なら「即日発送」、お取り寄せ品なら「◯日頃発送予定」と、商品の状態に応じた正確な情報が出るようにしたのです。

結果は、はっきりとした手応えがありました。心配になるほど納期の問い合わせが減り、その一方で注文は伸びました。お客様にとっても、わざわざ納期を問い合わせること自体がひと手間だったようで、その手間がなくなり「サクッと注文できる」ようになった。問い合わせ対応の負担が減るだけでなく、お客様の満足度を高めるうえでも、納期表示は効いたと感じています。

納期と一緒に「セール情報」も見せる

納期表示に取り組むなかで、もうひとつ気づいたことがあります。それは、お客様はセール情報も気にしているということです。

これは直接問い合わせを受けたわけではなく、顧客心理からの推測です。もし同じ商品がセール価格で買えるなら、お客様はそちらで買いたいはず。「この商品、もしかしてセールしていないかな」と気になって、カートボタンを押す直前で一度離脱してしまう。そういうケースは少なくないと考えました。

そこでフラワーレメディでは、配達予定日と一緒に、セール情報もカートボタン周辺に表示するようにしました。セール中の商品にはカート周辺に必ずセール情報が出て、セールしていない商品には出ない。お客様はわざわざ確かめに行く必要がなくなります。クーポンセールもよく実施するため、クーポンコードもカート周辺に表示するようにしました。

これも手応えのある施策でした。購入を決める直前の「迷い」を、その場で解消してあげる。納期もセールも、お客様が知りたい情報をカートボタンのすぐそばに集約しておくことで、購入までの流れがなめらかになります。

納期表示を設計するときのポイント

ここまでの内容を、納期表示を自社で設計する際のチェックポイントとして整理します。

  1. 在庫品とお取り寄せ品を区別する:「即日発送」が当てはまるのは在庫品だけ。お取り寄せ品の納期が空白になっていないか確認する
  2. お取り寄せ品の発送予定日を商品ごとに把握する:仕入先ごとの納期をもとに、欠品時の発送目安を商品単位で算出する
  3. カートボタン周辺に表示する:購入の意思決定が最後に行われる場所に、納期情報を置く
  4. 納期とあわせて販促情報も見せる:セール価格やクーポンなど、購入の迷いになりやすい情報も同じ場所に集約する

なお、納期問い合わせの背景には「お取り寄せ品の在庫・発注をどう管理するか」という、より広い在庫データ活用の課題があります。在庫データを販促の起点として捉える考え方は、別記事「在庫データを起点にECの販促を変える」で解説しています。また、自社ECが売れない原因を幅広く整理したい方は「自社ECサイトが売れない7つの理由と改善策」もあわせてご覧ください。

よくある質問

お買い物ガイドに発送日を書いているのに、なぜ納期の問い合わせが来るのですか?

「即日発送」などのルールが当てはまるのは在庫品だけだからです。注文を受けてから仕入れるお取り寄せ品は、発注から入荷までの日数が仕入先や商品によってまちまちで、その納期が示されていないと、お客様は問い合わせるしかなくなります。

お取り寄せ品の納期はどう表示すればよいですか?

仕入先ごとの納期をもとに、欠品した場合にいつまでに発送できるかを商品ごとに算出し、その発送予定日をカートボタン周辺に表示します。在庫品は「即日発送」、お取り寄せ品は「◯日頃発送予定」と、商品の状態に応じた正確な情報を出すことが重要です。

納期表示は問い合わせ削減以外に効果がありますか?

あります。納期が不透明だと「いつ届くか分からない」という不安から購入を後回しにされがちです。正確な納期がカート周辺に示されていれば、お客様は安心して購入を決められます。納期表示は問い合わせ削減と購入の後押しの両方に効きます。

まとめ

「お買い物ガイドに発送日を書いているのに問い合わせが来る」。その真因は、多くの場合、在庫品のルールだけが掲示され、お取り寄せ品の納期が空白になっていることにあります。

お取り寄せ品も含めて、欠品時の発送予定日を商品ごとに把握し、カートボタン周辺に正確に表示する。これだけで、納期問い合わせの負担は大きく軽くなり、お客様は安心して購入を決められるようになります。納期表示は、問い合わせ削減と購入率向上の両方に効く、地味だが効果の大きい施策です。

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