楽天では売れるのに自社ECサイトで売れない|その決定的な違いと埋め方
「楽天市場では毎月安定して売れているのに、同じ商品を扱う自社ECサイトはまったく売れない」。モールと自社サイトを併用しているEC事業者から、よく聞く悩みです。
同じ商品、同じ価格、同じ写真。それなのに、なぜモールでは売れて自社サイトでは売れないのか。この記事では、楽天をはじめとするモールと自社ECサイトの「決定的な違い」を3つの観点から整理し、その差を埋めて自社サイトで売上を作るための考え方を解説します。
同じ商品なのに、なぜ売れ方が違うのか
まず押さえておきたいのは、「楽天で売れて自社で売れない」のは、商品や価格の問題ではないということです。同じ商品を売っているのですから、原因は商品の外側、つまり売り場としての環境の違いにあります。
モール(楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonなど)と自社ECサイトには、売り場としての性質に大きな差があります。その差は、大きく3つに整理できます。集客力、信頼の蓄積、そしてデータの見えやすさです。順に見ていきます。

違い1|集客力:モールには「探している人」が集まっている
モールが「売れる」最大の理由は、集客をモール自身が担っていることです。
楽天市場には、「楽天で買い物をしよう」と思った人が日々大量に訪れます。ポイント目当ての習慣的な利用者も多く、モール内を検索すれば、すでに「買う気のある人」が商品ページにたどり着きます。出店者は、自分で集客しなくても、モールの集客力の上に乗ることができます。
一方、自社ECサイトには、この「待っているだけで人が来る」仕組みがありません。検索エンジンから、SNSから、広告から。自分で集客の導線を作らなければ、人は訪れません。
ただし、ここは誤解されやすいポイントです。自社サイトでも、ネットショップ作成サービスの集客機能を使えば、流入をある程度作ることはできます。たとえばmakeshopなら、ページごとのSEO設定、ブログ機能、Instagramショッピング連携、Googleショッピング広告との連携など、集客の手段は一通りそろっています。集客は「自社サイトの弱点」ではありますが、手の打ちようがないわけではありません。
そして重要なのは、集客を改善しても売れない場合、原因は集客以外にあるということです。次の2つの違いが、そこに関わってきます。
違い2|信頼の蓄積:モールには「お客様の声」が貯まっている
モールで売れるもう一つの理由が、信頼を裏付ける情報がページ上に貯まっていることです。
楽天市場の商品ページには、購入者によるレビューが並んでいます。星の数、件数、具体的な感想。初めてその商品を見た人でも、「これだけの人が買って、評価している」という事実が、購入の安心材料になります。モールでは、このレビューが自然に蓄積される仕組みが標準で備わっています。
自社ECサイトには、この仕組みが最初からあるわけではありません。お客様の声を載せたければ、自分で集める必要があります。そして、ここに落とし穴があります。
私たちパークフィールドが自社EC「フラワーレメディ」を運営してきた経験からお伝えすると、口コミは、集め方を間違えると逆効果になります。たとえば「口コミコメントを書くこと」を条件にしたモニター募集キャンペーンで口コミを集めると、何が起きるか。「当選していただきありがとうございます」といった、購入を検討している他のお客様にとって何の参考にもならないコメントが並んでしまうのです。場合によっては、やらせのように見えてしまうコメントが付くこともあります。
口コミは、お客様の声が本物だからこそ信頼につながります。自社サイトで信頼を蓄積するなら、件数を急いで稼ぐより、実際に商品を使ったお客様の率直な声を、時間をかけて丁寧に集めていく姿勢が欠かせません。モールが標準で持っている「信頼の蓄積」を、自社サイトでは意識的に作っていく必要がある。これが2つ目の違いです。
違い3|データの見えやすさ:自社サイトは「自分で見る」必要がある
3つ目の違いは、運営側から見たデータの扱いです。
モールには、出店者向けの分析画面が用意されています。どの商品がどれだけ見られ、売れているか、モールの管理画面である程度のことが分かります。
自社ECサイトの場合、データ分析は基本的に自分で環境を整えることになります。多くの事業者はGA4(Googleアナリティクス4)を導入しますが、GA4はサイト全体・ページ単位の分析には強い一方、「どの商品が、どれだけ見られ、どれだけ売れ、どれだけ利益を生んでいるか」という商品単位のデータは把握しにくいという特性があります。
ここが、自社サイトで売上を作るうえで実は重要なポイントです。自社ECサイトの本当の強みは、モールに払う手数料がなく、顧客データを自社で持てること、つまり利益率の高い売り場を自分で設計できることにあります。しかしその強みを活かすには、どの商品が利益を生んでいるかが見えていなければなりません。データが見えないまま運営すると、自社サイトならではの利益構造を作れないまま、ただ「売れない」状態が続いてしまいます。
商品単位でデータを見る重要性については、別記事「GA4では分からない『商品別CVR』の見方」で詳しく解説しています。
自社ECサイトで売上を作るための3つの方向性
3つの違いを踏まえると、自社ECサイトで売上を作るための方向性が見えてきます。

集客の導線を作る:モールのように待っていても人は来ないため、SEO・ブログ・SNS・広告で流入の導線を自分で用意します。ネットショップ作成サービスの集客機能をまず使い切ることが出発点です。
信頼を意識的に蓄積する:レビューやお客様の声を、本物の声として丁寧に集めます。安易なキャンペーンで件数を稼ぐのではなく、購入者が率直な感想を書きたくなる仕組みを整えます。あわせて、納期や送料、在庫状況といった「購入の安心材料」を商品ページのカートボタン周辺に明示することも、信頼につながります。
データで自社サイトの利益構造を設計する:商品単位でCVR(コンバージョン率=訪問者のうち購入に至った割合)・売上・収益・在庫を可視化し、どの商品が自社サイトの稼ぎ頭かを把握します。手数料のない自社サイトだからこそ作れる利益構造を、データを根拠に設計していきます。
自社ECサイトが売れない原因を、より幅広く整理したい方は「自社ECサイトが売れない7つの理由と改善策」もあわせてご覧ください。
よくある質問
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楽天では売れるのに自社ECサイトで売れないのはなぜですか?
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商品や価格の問題ではなく、売り場としての環境の違いが原因です。モールは集客・購入者レビューによる信頼・出店者向けの分析画面を標準で備えていますが、自社サイトではこれらを自分で用意する必要があります。同じ商品でも売れ方が変わるのはこのためです。
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自社ECサイトをモールより有利にできる点はありますか?
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あります。自社ECサイトはモールに支払う手数料がなく、顧客データを自社で持てるため、利益率の高い売り場を自分で設計できます。ただしその強みを活かすには、どの商品が利益を生んでいるかを把握できていることが前提になります。
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自社サイトで口コミ・レビューを集めるときの注意点は?
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口コミは本物の声であってこそ信頼につながります。コメント投稿を条件にしたモニター募集などで件数を急いで集めると、購入検討者の参考にならない内容や、やらせのように見えるコメントが付くことがあります。時間をかけて率直な声を集める姿勢が重要です。
まとめ
楽天では売れるのに自社ECサイトで売れないのは、商品や価格の問題ではなく、売り場としての環境の違いです。モールが標準で持っている「集客力」「信頼の蓄積」「データの見えやすさ」を、自社サイトでは自分で作っていく必要があります。
裏を返せば、これらを自分で整えられれば、自社ECサイトは手数料のない利益率の高い売り場になります。集客の導線を作り、本物の信頼を蓄積し、データで利益構造を設計する。この3つに取り組むことが、自社サイトで売上を作る道筋になります。
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