EC制作会社の運用提案書テンプレート|月次改善を継続契約につなげる
ECサイトの制作が完了しても、商品情報の更新、販促の準備、売上の振り返りは続きます。一方で、制作会社が「毎月サポートします」とだけ提案しても、店舗側は何を依頼できるのか、費用に見合うのか判断しにくいものです。
継続契約を提案するときは、月ごとの作業と、店舗が意思決定できるようになる情報を具体的に示しましょう。この記事では、初回の打ち合わせから月次の振り返りまで使える提案書のひな型を紹介します。
最初に「保守」と「売上改善の支援」を分ける
表示の不具合への対応、軽微な修正、問い合わせ窓口などの保守業務と、商品データの分析、販促の設計、商品ページ改善などの運用支援では、必要な時間も成果の確認方法も異なります。両方を提供する場合でも、提案書にはそれぞれの作業範囲を記載します。
売上の変化には季節、広告、価格、在庫など複数の要因が関わります。制作会社の作業だけで売上が決まるわけではないため、「必ず売上が増える」と約束するのではなく、実施する作業、判断に使う指標、見直しの手順を合意することが大切です。
そのまま構成に使える運用提案書のひな型
次の表を提案書の骨組みにできます。記入例は架空の店舗を想定した例であり、実際の支援内容や成果を示すものではありません。
| 項目 | 記載する内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 店舗の課題 | 困っている業務と、確認できた事実 | 販促の準備が直前になる。商品別の結果を振り返る時間が取れない |
| 支援の目的 | 契約期間中に整えたい運用 | 月初に優先商品を決め、施策の実施と振り返りを毎月行う |
| 対象範囲 | 対象サイト、商品数、施策数、修正量 | 重点商品5点、販促1件、商品ページ修正2点を月の基本枠とする |
| 月次の作業 | 調査・提案・設定・確認の担当 | 制作会社が分析と設定案を作り、店舗が価格・在庫・文面を承認する |
| 評価する指標 | 集計期間と定義を合わせた数値 | 商品別アクセス、注文件数、購入率、売上、欠品の状況 |
| 連絡と承認 | 窓口、提出日、回答期限、公開条件 | 月初に案を提出。指定の担当者が承認した内容を設定する |
| 費用と追加作業 | 基本料金に含む作業と追加見積もり | 大規模な改修、撮影、広告運用は別途見積もりとする |
| 契約の見直し | 継続判断の時期と確認内容 | 3か月ごとに作業量、実施率、指標の変化を振り返る |
例の「5点」「1件」「2点」「3か月」は標準の提供条件ではありません。担当者の稼働時間と店舗の承認体制に合わせて、無理なく実行できる範囲に置き換えてください。
月次の仕事を4つの段階にする
1.前月の結果と今月の条件を確認する
アクセスや注文の数字に加えて、在庫、入荷予定、利益の条件、キャンペーン予定を確認します。アクセスが少ない商品と、アクセスはあるのに注文されない商品では、必要な施策が違います。数字の集計期間や注文取消の扱いもそろえておきます。
2.優先順位を決め、実施案を提出する
すべての商品を毎月直すより、今月取り組む商品と理由を絞った方が判断しやすくなります。「商品Aはアクセスがあるが注文が少ないため、サイズ説明を追加する」といった形で、事実、仮説、作業をつなげて提案します。店舗が在庫や価格の事情を確認できる時間も予定に含めましょう。
3.承認された施策を設定し、公開後に確認する
値引きや納期の表示は、店舗の販売条件と関わります。制作会社の判断で変更せず、店舗の承認を得てから設定します。公開時には表示、リンク、対象商品、開始・終了条件を確認し、実施内容を記録します。
4.結果を振り返り、次月の判断を残す
実施前後の数値だけでなく、広告、欠品、季節要因など同時に変わった条件も記録します。注文が少ない商品では、短い期間の購入率が大きく動くことがあります。数字だけで成功・失敗を断定せず、期間を延ばすか、別の仮説を試すかを決めます。
月次レポートは「次に何をするか」まで書く
グラフを並べるだけでは、店舗が次の作業を選べません。1つの施策について、以下の順序でまとめると打ち合わせに使いやすくなります。
- 対象と期間:どの商品に、いつ施策を行ったか。
- 事実:アクセス、注文、売上、在庫など、確認できた数字。
- 実施内容:どの説明や導線を、どのように変更したか。
- 解釈と限界:考えられる理由と、まだ判断できない点。
- 次の提案:継続、修正、停止のどれを選ぶか。
- 店舗への確認事項:入荷、価格、素材提供、承認が必要な事項。
たとえば「注文が増えた」だけで終わらせず、「同じ期間に広告を増やしているため、ページ変更だけの効果は切り分けられない。次月は広告条件と在庫状況を記録して比較する」と書けば、判断の根拠が伝わります。
費用は作業量と責任範囲から組み立てる
月額料金を決める前に、分析、資料作成、打ち合わせ、設定、確認にかかる時間を見積もります。修正回数、緊急対応、休日対応、追加の商品登録などを基本料金に含むかどうかも明記します。ツール利用料や外部費用が発生する場合は、制作会社と店舗のどちらが負担するかを整理してください。
また、売上改善の相談と、受注処理・発送・返品対応は別の業務です。店舗が担う仕事と制作会社が担う仕事の境界を提案書に残すことで、契約後の認識のずれを減らせます。詳しい運用メニューの考え方は、EC運用保守メニューに関する記事も参考にしてください。
商品データの確認と定型作業を支える仕組みを用意する
運用支援を続けるには、毎月ゼロから数字を集めたり、同じ公開作業を繰り返したりする負担も見直したいところです。ストックビジョンの商品別データの分析や販促の自動化を、店舗に必要な支援と組み合わせて検討できます。導入すれば契約や売上が保証されるわけではなく、店舗の課題と担当者の運用に合うかを確認することが前提です。
制作会社の継続収益については、Web制作会社の継続収益に関する記事をご覧ください。パートナーとしての活用は代理店・パートナーのご案内で確認できます。
まずは、担当している店舗1社について「困っている仕事」「毎月できる支援」「確認する数字」を1枚にまとめてみましょう。そのうえで、ストックビジョンを使った支援の組み立てについては、お問い合わせフォームからご相談ください。
