ECサイトの売上が上がらない原因を数字で切り分ける|集客・購入率・客単価の診断表

「広告を出しているのに売上が増えない」「商品ページを直したけれど、何が変わったのか分からない」。ECサイトの売上が上がらないとき、思いついた施策を増やすだけでは、原因が見えにくくなることがあります。

最初に取り組みたいのは、売上を数字に分けることです。この記事では、訪問数・購入率・客単価から状態を切り分け、次に確認することを決める診断表を紹介します。原因を広く確認したい方は、自社ECサイトが売れない7つの理由もあわせてご覧ください。

売上を3つの数字に分ける

同じ期間・同じ集計範囲でそろえると、売上は次のように分解できます。

売上 = 訪問数 × 購入率 × 客単価

ここでは、訪問数をセッション数、購入率を「注文数÷セッション数」、客単価を「売上÷注文数」と定義します。ツールによって購入率の分母がユーザー数になったり、売上に送料・税を含めたりするため、自社で使う定義を先に決めておきましょう。注文数はキャンセル等の扱いもそろえます。

たとえば、月間10,000セッション、購入率1%、客単価5,000円なら、注文数は100件、売上は50万円です。翌月の売上が40万円になった場合、訪問数が8,000になったのか、購入率が0.8%になったのか、客単価が4,000円になったのかで、見直す場所は変わります。この数字は計算を説明するための架空の例で、目標値や導入成果を示すものではありません。

数字の変化から、次に見る場所を決める

状態まず確認すること検討する改善
訪問数が減っている検索・広告・メールなど、減った流入元。計測設定の変更も確認流入元ごとの改善、記事と商品ページの導線の見直し
訪問数は同程度、購入率が低下流入するお客様や商品の変化、在庫、納期、価格、購入操作対象商品の説明・表示・注文導線を点検
注文数は同程度、客単価が低下安い商品の注文比率、値引き、1注文あたりの点数商品構成や関連商品の案内を見直す
売上は増えたが利益が残らない商品原価、値引き、広告費、送料負担など利益を残せる商品と販促条件を再検討

この表は原因を確定するものではなく、確認する順番を決めるためのものです。複数の数字が動いている場合は、流入元や商品ごとに分けて、変化が大きい範囲から調べます。

Search Consoleと受注データをつなげて読む

検索からの集客を見るときは、Search Consoleで検索表示回数・クリック数・クリック率・掲載順位を確認します。表示回数が減ったのか、表示されてもクリックされなくなったのかで、検討することが異なります。

ただし、Search Consoleのクリック数はショップ全体の訪問数や注文数とは別の指標です。検索流入以外も含むアクセス解析と、実際の受注データを合わせて確認します。検索の順位だけを見て「売上が下がった原因は集客」と決めつけないようにしましょう。

検索からの訪問が増えていても、お客様が求めている情報と紹介している商品が合っていなければ、注文に結びつかない可能性があります。どの記事や商品に流入しているかまで見ることが必要です。

ショップ全体の平均から、商品別の診断へ進む

全体の購入率が低下していても、すべての商品が悪くなったとは限りません。購入率の低い商品の閲覧が増え、全体の平均が下がる場合もあります。まず主力商品や変化の大きい商品を選び、アクセス・注文・売上・在庫を並べて見ます。

  • アクセスはあるが注文が少ない商品:購入判断に必要な情報と、在庫・納期を点検する。
  • 注文につながっているがアクセスが少ない商品:特集や検索結果などの露出を検討する。
  • 売上は大きいが利益が薄い商品:値引きや商品原価を確認する。

商品ページの閲覧を分母にした商品別CVRと、ショップ全体のセッションを分母にした購入率は、そのまま比べられません。指標ごとの定義を確認して使い分けます。商品単位の見方は、商品別CVRの解説と、商品別収益分析の解説を参考にしてください。

比較条件をそろえ、変更を記録する

実施前後を比べるときは、期間の長さ、曜日、広告、セール、欠品の有無を記録します。繁忙期と通常期を比べたり、短い期間の少数の注文だけで判断したりすると、施策の効果を読み違えることがあります。

最初は、対象商品・変更内容・実施日・見る指標を1行で残すだけでも構いません。「商品Aの納期案内を変更。注文数と納期問い合わせ件数を確認」のように、変更と確認事項を結びつけます。数字が動いても、変更だけが原因と断定せず、ほかの条件も確認しましょう。

売上改善の第一歩は、次に調べることを絞ること

売上が上がらないときは、訪問数・購入率・客単価に分けて状態を確認し、商品単位で改善対象を絞ります。数字で原因の候補を整理できれば、担当者が限られていても、取り組む順番を決めやすくなります。

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